特定の公式とかではなく、問題のルールに従って考えないといけない推理問題。
これを解くにはヒラメキが必要なんでしょうか?
いいえ、いりません。
ここで求められているのは、素早く本質を見抜く天才肌ではありません。
物事を簡単に分解する力があれば良いのです。
ちょっと推理問題、いってみましょう!
【10人がクイズに答えました。このクイズには4つの問題A、B、C、Dがあり、正解するとそれぞれ1点、1点、3点、5点がもらえます。10人の得点の平均は8.3点でした。全員が正解した問題はなく、正解した人が最も少なかったのは、問題Cでした。問題C、Dを正解した人は、それぞれ何人でしたか。】
さあ、クイズ大会がはじまりました。クイズについてのクイズ(問題)を解くって、変な感じですね笑。
まずは深く考えず、事実をわかりやすくメモします。時間を短縮したいなら、問題文に直接書き込むようにして、以下のように区分しましょう。
わかっている事実は箇条書きにすると3点です。
①全員の平均点は8.3点
②全員が正解した問題はない
③正解した人が最も少ないのは、C
順番に詳しく見ていきます。
まずは事実①について。なぜ「平均点」なのでしょうか。そう、これは問題をややこしくさせるのが狙いです。よくあるカモフラージュってやつです!
ABCDのどれを何個正解すれば平均8.3になるかな・・・
なんて考えさせるのが狙いです。
もっと簡単に考えましょう!平均なんてわざわざ考えなくて良いんです!
10人の平均が8.3点ならば、全員の総合点は8.3×10=83(点)です。
ね、こっちの方が簡単に考えられそうです。
さて、ここで事実②を見てみましょう。
全員が正解した問題は存在しない。
つまり、A、B、C、Dそれぞれ誰かが間違えているということですね。
間違えている。
ということは、その分総合得点が減るということ。この減点に注目してみましょう!
そもそも、全員が全問正解していたら、総合点は何点になるのでしょうか?
A、B:1点
C:3点
D:5点
よって
1+1+3+5=10(点)より、10(点)×10(人)=100(点)
というのがわかります。
事実①より、実際の総合点が83点ということがわかっています。
つまり、全部で100-83=17点分間違えていることになります。
お、だいぶ簡単な数字になりましたね!17点分を間違えるには、「ABCDそれぞれ何人が間違えれば良いか」を考えると答えが見えてきそうです。
この問題、正解した分の点数に注目させることで、間違えた分の点数、間違えた数から目をそらさせようとしています。
少ない数の方が数えやすいので、そちらに注目されるとあっさり解けてしまうからです。
ではでは、順番に組み合わせを考えましょう!
A〜Dで一番点数が大きいのはD。大きい数をメインに調整すると楽です!
具体的には
・Dを間違えたのは1人
・Dを間違えたのが2人
・・・
と考えていくことです。大きい数なので、MAX17点を超えない範囲での場合分けが少なく済みます!
Dは1人間違えると5点減点。ということは、4人以上間違えたらダメですよね?
(5(点)×4(人)=20(点)より、17点を超えてしまう。)
というわけで、Dを間違えた人の数は1〜3人。
全員正解はない(事実②)ため、0は含みません。それぞれの場合をみていきましょう。
・Dが3人のとき
Dのミスだけで3(人)×5(点)=15点分も減点してます。
A〜Cの問題で間違えた分は
17ー15=2(点)
より、2点分となります。
しかし、ここで事実②を考えてください。A〜Cも少なくとも1人は間違えていますね。
とすると、15点に加えてさらに1+1+3=5点分増えて、計20点分の減点となります。これは事実①に反するのでアウトです。
・Dをミスした人が2人のとき
Dのミスだけだと2(人)×5(点)=10点分減点してます。
あと残り7点分を作るにはどうするか。
事実③より、Cを間違える人数はDよりも多いので3人以上ですね。
とすると、3×3=9点
となり、7点をオーバーしてしまいます。というわけで、アウトです。
・Dをミスした人が1人のとき(Dを正解した人は9人のとき)
Dのミスだけだと1(人)×5(点)=5点分減点してます。
あと残り12点分を作るにはどうするか。
事実③より、Cを間違える人数はDよりも多いので2人以上ですね。
さて、事実③をさらに詳しく言うと、Cのミス人数はA、Bのミス人数よりも多いですね!
A、Bは1点しかないので、なるべく残りの12点のうち、Cのミス人数を多く見積もって考えましょう。
Cは3点なので、最大4人間違えられます。(3点×4人=12点)
ただし、これだとA、Bのミス人数は0になり、事実②に反します。
というわけで、Cをミスするのが3人はどうでしょう?
3点×3人=9点
で、あと3点分の減点をA、Bで埋められそうですね!これでOKです。
つまりCを正解した人は10ー3=7人です!
A、Bのミス人数がそれぞれ何人かは、この問題では聞かれてないのでこれ以上は考える必要はありません!
試験は聞かれたことだけに答えましょう。
以上より、
Cを正解した人は7人、Dを正解した人は9人。
最後、「正解した人数」ということに注意してください。途中までは間違えた人数として考えていたので。
こちらの問題、【フェリス女学院中学校06年第4問】でした。
【解き終わって思うこと】
いくつかの条件をもとに事実を推理していく問題。
一瞬ややこしい話に思えるものが多いですが、淡々とわかっている事実を整理していくと、答えが消去法で見えてきます。
そのために大切なのが、場合分けです。
一つの物を対象に(本問だと「Dのミスした人数」)、数をパターン分けして調べていく。
これは日常生活で計画を立てるときに使えるかもしれません。
「これから〇〇が上手くいくとどうなるか。」
「これから〇〇を失敗するとどうなるか。」
なんとなく生きていくのではなく、こうして色んなパターンを想定することで、将来の不安も大きく減ります。
それこそ受験も同じです。
「第一志望が無理なら第二志望、第二志望が無理なら第三志望。」
「受験が嫌なら公立に行く」などなど。
何かに挑戦して失敗しても、死ぬわけではないんです。 成功・失敗、両方の可能性から無理に目をそらさず、肩の力を抜いていきましょう。
それでは。